海外で働くことに憧れはありませんか?
海外で働く現実は理想とは異なることも多いです。
新しい環境、文化の違い、言語の壁など、海外での就労にはさまざまな困難が伴います。
しかし、それらの困難を克服し、海外で成功するためのポイントを知ることは可能です。
この記事では、私自身の経験をもとに、海外で働く理想と現実のギャップを探り、失敗を避けるための重要なポイントと注意点を共有します。
現実的な視点と具体的なアドバイスを通じて、あなたが海外での働き方に向けて準備をする際に役立つ情報を提供します。
さあ、海外での働き方の真実に目を向け、成功への第一歩を踏み出しましょう。
【理想と現実】住みたい国 と 実際に在住する国 のギャップ
夢見た理想の国で生活することは誰もが抱く願望ですが、実際に住む国として選んだ場所との間には、時に大きなギャップが存在します。
理想と現実の違いについて、住みたい国と実際に在住する国とのギャップを探っていきましょう。
理想:住みたい国ランキング
理想の住みたい国ランキングを見てみましょう。
いくつかの調査結果がありますが、日本の調査結果と海外の調査結果で違いがありましたので、それぞれの調査結果を紹介します。
日本側の「住みたい国ランキング」は、ロングステイ財団(会長:田川博己 事務局:東京都千代田区)が、2019年1月~12月までに当財団が主催や後援したイベント、計91本、7,208名(有効回答数:1,097)の参加者を対象としたアンケート「ロングステイに関する意識調査」の回答をもとに「ロングステイ希望国・地域2019」」を発表しているものを紹介します。
海外の「住みたい国ランキング」は、Remitlyの調査「世界で働きたい国: 海外移住に最も人気のある国」を紹介します。
世界 101 か国の検索データを元に、最も人気のある目的地を調べた結果になります。海外移住の調査によく関連するフレーズの月間平均検索量を分析し、最も検索された場所をランク付けしています。
日本人はマレーシアやタイなど東南アジアの国々に住みたいと思う人が多いのに対して、世界的には欧米諸国に住みたいと思っている人が多いことがわかります。
上位の国ほど、住みたいと思っている人が多いので、実際に住めると自慢になりますが、競争率が高い国とも言えます。
順位 | 日本人が住みたい国 (日本での調査) | 外国人が住みたい国 (海外での調査) |
---|---|---|
1位 | マレーシア | カナダ |
2位 | タイ | 日本 |
3位 | ハワイ | スペイン |
4位 | フィリピン | ドイツ |
5位 | 台湾 | カタール |
6位 | オーストラリア | オーストラリア |
7位 | インドネシア | スイス |
8位 | ベトナム | ポルトガル |
9位 | シンガポール | アメリカ |
10位 | カナダ | イギリス |
現実:日本人が実際に海外に住んでいる国ランキング
現実として、実際に日本人が住んでいる海外移住先を見てみましょう。
外務省が発表している「海外在留邦人数調査統計」では、毎年、日本人の在留人数の情報が公開されています。
必ずしも行きたい国に行けているわけではなく、ビジネスなどで渡航されていると思われる国が上位にランクインしています。
順位 | 働きたい国 | 在留邦人数 | 前年比 |
---|---|---|---|
1位 | アメリカ | 429,889 | -2.60% |
2位 | 中国 | 107,715 | -5.20% |
3位 | オーストラリア | 93,451 | +0.016 |
4位 | タイ | 82,574 | -5.00% |
5位 | カナダ | 70,892 | +0.049 |
6位 | イギリス | 63,653 | +0.022 |
7位 | ブラジル | 48,703 | -2.50% |
8位 | ドイツ | 42,135 | +0.003 |
9位 | 韓国 | 41,238 | +0.012 |
10位 | フランス | 36,347 | -0.70% |
実体:外国人が住みやすい国ランキング
理想の「住みたい国ランキング」では、個人の主観が大きく影響するため、もう少し現実的な調査結果があったため、こちらも紹介します。
NUMBEOが毎年発表している「国ごとの生活の質ランキング(2023年度版)」では、安全性や生活費など8項目で点数付けし、外国人が本当に住みやすい国のランキングを発表しています。
前述した日本人が「住みたい国ランキング」で上位になっていたマレーシアやタイ、フィリピンといった国々は必ずしも生活のしやすい国ではないことがわかります。
順位 | 住みやすい国 | 総合評価 (生活の質) | 購買力 | 安全性 | 健康面 | 生活費 | 住居費 | 交通利便性 | 環境汚染 | 気候 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ルクセンブルク | 200.1 | 133.2 | 66 | 77.3 | 71.7 | 10.1 | 25.4 | 22.1 | 82.6 |
2 | オランダ | 200.1 | 106.9 | 73.8 | 78.6 | 67.5 | 6.7 | 23.8 | 21.9 | 86.7 |
3 | アイスランド | 191.1 | 100.4 | 75 | 67.2 | 87.7 | 5.9 | 22.3 | 15.7 | 68.8 |
4 | デンマーク | 190.6 | 96.9 | 73.4 | 78.4 | 79.2 | 6.7 | 28.6 | 21.9 | 81.8 |
5 | フィンランド | 188.1 | 93.8 | 73.5 | 77.5 | 68.7 | 8.1 | 26.4 | 11.8 | 56.6 |
6 | スイス | 185.8 | 110.8 | 75.1 | 73.4 | 117.3 | 11 | 30.2 | 21.2 | 79.6 |
7 | オマーン | 184.8 | 106.2 | 80.4 | 59 | 49.6 | 3.2 | 22.3 | 36.7 | 67.2 |
8 | オーストリア | 183.3 | 85.6 | 72.4 | 76.5 | 68.7 | 10.6 | 23.8 | 21.1 | 76.9 |
9 | ノルウェー | 181.8 | 90.7 | 67.5 | 76.6 | 82.2 | 8.2 | 26.5 | 18 | 68.7 |
10 | スペイン | 177.7 | 83.6 | 64.2 | 77.5 | 49.9 | 7.1 | 26.9 | 36.7 | 93.7 |
11 | エストニア | 176.4 | 62.7 | 75.5 | 75.9 | 55.9 | 10.2 | 22.2 | 17.1 | 64.3 |
12 | ドイツ | 176 | 100.2 | 62 | 71.8 | 66 | 10.2 | 30.7 | 29 | 83.3 |
13 | 日本 | 175.5 | 94.3 | 77.1 | 79.6 | 54.3 | 9.8 | 39.4 | 39 | 84.8 |
【オススメの国】調査~分析結果:行きやすい国、住みやすい国
行きやすい国(実際に多くの日本人が住んでいる国)、住みやすい国をもとに散布図を作成してみました。
在住者はアメリカが飛びぬけて多いことがわかります。
アメリカ以外の状況が少しわかりにくいため、アメリカ以外の国で別の散布図を作成してみました。
実際に多くの日本人が住んでいる国と、住みやすい国を比較することで、海外移住におすすめの国がみえてきました。
無難に行きたい人:住んでいる日本人も多く、実際住みやすい国
無難に海外移住を進めたい人には、散布図の右上の国々である英語圏の国々を目指されることをおすすめします。
アメリカやオーストラリアなどは現実的に移住を成功させた日本人も多く、住みやすさでも高い点数を取っているため、ほかの国々に行くよりもハードルは低めと考えられます。
アメリカ
オーストラリア
カナダ
イギリス
とにかく海外に行きたい人:住んでいる日本人は多いが、住みにくい国々
どこでもいいので、とりあえず海外に行きたい方は、左上の国々である中国、タイを目指されることがおすすめです。
在住している日本人は多いですが、住みやすさでは点数が低めのため競争率は低い可能性が高いです。
駐在員を目指される方などは、中国・タイは住みにくさを感じた担当者が帰国する頻度も高いため、駐在員として任命される可能性が高い国ともいえます。
中国
タイ
憧れの国に住みたい人:住んでいる日本人は少ないが、住みやすい国々
右下の国々に行きたい方は、憧れの国がある方ではないでしょうか?
住みやすい国ですが、実際に住んでいる日本人は少ない国々です。
在住条件などが厳しい可能性が高く、それなりの努力が必要となるでしょう。
ドイツ
フランス
オランダ
スイス
韓国
シンガポール など
チャレンジャーな人:住んでいる日本人も少なく、住みにくい国々
チャレンジャーな方は、散布図の左下の国々に挑戦してみるのもよいでしょう。
実際に住んでいる日本人も少ないですし、外国人が住みやすいわけでもありません。
過酷な面も多いですが、自身の成長につながることは間違いないでしょう。
ブラジル
マレーシア
ベトナム
フィリピン
インドネシア
メキシコ など
【体験談】海外で働く理想と現実
海外で働くことは自分にとっても一つの目標でした。新しい文化や環境に触れ、国際的な経験を積むことで成長する機会を求める人々が増えています。しかし、海外での働き方には理想と現実のギャップがあったのも事実。
実体験について少し話したいと思います。
- 外国語スキルの向上
- 新しい人脈の形成
- プライベートでの文化体験
- 自分自身の努力の必要性
- 日本との距離とホームシック
- 仕事に忙殺される可能性
理想と現実1: 語学力の向上 と 言語や習慣の壁
海外で働くことのメリットの一つは、語学力が向上すると思っている方もいると思います。
実際、現地に住んでいれば必要になる場面も多いため、語学学習のモチベーションになるのは間違いありません。ただ日本語のできる日系企業で日本語のできるスタッフとだけ仕事をしていたり、日本人コミュニティだけにいれば向上しないのも事実。
住んでいれば勝手に語学力が向上するわけではないので、語学力をのばしたいなら、言語の壁や習慣の違いによる適応の難しさを感じながら、しっかりと自分自身で学習することも必要になります。
理想と現実2:国際的な人脈の広がり と 孤独やホームシック
海外で働くことで、日本にいるだけはできない国際的な人脈が広がることもメリットの一つです。ビジネス上のコネクションや異なるバックグラウンドを持つ仲間との交流は、新たなビジネスチャンスや成長の機会をもたらします。
ただ、家族や友人と離れることによる孤独感やホームシックに悩まされることもあるのが現実。特にコロナ渦では長期間家族に会えない状況でした。現地のコミュニティに参加したり、現地での新しい友人を作り、支え合いながら乗り越えましょう。
理想と現実3:仕事とプライベートの充実
海外で働くことは、その国の文化に触れたり、日本だとなかなか行けない土地に行けることも魅力の一つです。
ただ、海外での仕事は忙しい場合が多いのも現実。特に短期出張などの場合は、せっかく海外に行ったのにも関わらず、プライベートの充実が犠牲になり、仕事だけして終わることも多くあります。
仕事ばかりするのは、日本人のよくない習慣だと多くの場所で言われていますが、こればかりは、海外(特に欧米)の方々を見習い、適切な仕事と生活のバランスを見つけ、自分の時間や趣味にも充分なリフレッシュの時間を持ち、その国の文化にも触れれるようにしましょう。
※より詳しくSEが海外で働く具体的な方法を知りたい方は、別記事「SEとして海外で働く現実的な方法、メリット・デメリット」をご覧ください。