中国語は、英語に似ていると聞いたけど、ホントですか?
中国と英語は文法が似ているという人がいます。
実際には中国語と英語は異なる点も多いです。
ただ簡単な基本文型についての話だと、日本語より英語に似ている部分もあります。
今回は、より具体的に基本文型の第1文型(S+V)から第5文型(S+V+O+C)まで中国語と英語の文法を比較してみました。
基本文型の基本
まず、基本文型とは何かについておさらいしましょう。
文の5要素
文型を構成する要素は5つあります。
この考え方は基本的に、英語も中国語も同じです。
英語 | 日本語 | 中国語 | 役割 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S | subject | 主語 |
|
~は
(文章の主体) |
||||
V | verb | 動詞(述語) |
|
~する
(動作や状態を表す) |
||||
O | IO | object | indirect object |
目的語 | 間接 目的語 |
|
|
–
(主語・目的語を説明する) |
DO | direct object |
直接 目的語 |
|
|||||
C | complement | 補語 |
|
~を / ~に
(動作の対象) |
||||
M | modifier | 修飾語 |
|
(時間や場所など文を修飾する) |
基本5文型
英語では、基本文型は5つあり、「基本5文型」と呼ばれます。
中国語も基本的には、英語の基本文型と同じ形で文を形成します。
- 第1文型(SV)
- 第2文型(SVC)
- 第3文型(SVO)
- 第4文型(SVOO)
- 第5文型(SVOC)
第1文型(SV)
第1文型は、最も基本的な形です。
【主語(S)+ 述語(V)】の語順になります。
例文を見てみましょう。
主語(S) | 述語(V) | |
---|---|---|
日本語 | 彼は | ほしい。 |
英語 | He | wants. |
中国語 |
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|
主語は必ずしも1語の名詞というわけではありません。
中国語の場合は、名詞以外にも主語になることが普通にあります。
- 〜的(~のもの)
- 動詞
- 形容詞
- フレーズ
第2文型(SVC)
第2文型は、第1文型に “補語”(C)が付きます。
主語と補語は、イコールの関係(S = C)になります。
補語(C)は、【名詞】と【形容詞】の2パターンあります。
補語が【名詞】の場合
第2文型で補語(C)が名詞の場合を、”名詞文” といいます。
例として、「私は日本人です」という文を見てみましょう。
S(主語) | V(述語) | C(補語):名詞 | |
---|---|---|---|
日本語 | 私は | ~です。 | 日本人 |
英語 | I | am | Japanese. |
中国語 |
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「私は日本人です」という文章の場合、
日本語の語順は、「S+C+V」です。
英語と中国語は、「S+V+C」で、同じ語順になります。
補語が【形容詞】の場合
第2文型で補語(C)が形容詞の場合を、”形容詞文” といいます。
例として「彼女はかわいい」という文を見てみましょう。
S(主語) | V(述語) | C(補語):形容詞 | |
---|---|---|---|
日本語 | 彼女は | (~です) | かわいい |
英語 | She | is | cute. |
中国語 |
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|
「彼女はかわいい」という文章の場合、
英語では、「S+V+C」となり、最初に見たCが名詞の場合と同じです。
中国語の場合は、「她很可爱」となり、述語(V)がありません。
「很」は、形容詞の程度を表す言葉です。
一般的に「とても」と訳す文法書が多いですが、中国語の程度としては「普通」な感じです。
※ 「她 是 很可爱」という場合もありますが、この場合、「彼女こそかわいい」というような、主語を “強調” するニュアンスが含まれます。
形容詞文の場合、「とても」などの副詞が入る場合があります。
S(主語) | V(述語) | M(修飾語) | C(補語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 彼女は | (~です) | とても | かわいい |
英語 | She | is | very | cute. |
中国語 |
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形容詞を強調する副詞が入った場合も、基本的には、英語と中国語は同じ語順になることがわかります。
第3文型(SVO)
第3文型は、第1文型に目的語(O)が付きます。
第2文型と違い、目的語は、主語と一致しません。(S≒O)
目的語は名詞の場合、フレーズの場合があります。
目的語が【名詞】の場合
目的語が名詞の場合を見てみましょう。
「私はご飯を食べる」という例文です。
S(主語) | V(述語) | O(目的語):名詞 | |
---|---|---|---|
日本語 | 私は | 食べる | ランチを |
英語 | I | eat | lunch. |
中国語 |
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「彼は上海へ行く」という例文です。
S(主語) | V(述語) | O(目的語):名詞 | |
---|---|---|---|
日本語 | 私は | 行く | 上海へ |
英語 | I | go | Shanghai. |
中国語 |
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先ほどの例文に「~したい」という願望の助詞をつけたパターンも見てみましょう。
S(主語) | V1(述語) | V2(述語) | O(目的語):名詞 | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | したい | 行く | 上海へ |
英語 | I | want to | go | Shanghai. |
中国語 |
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第3文型の場合も英語と中国語は基本的に同じ文型になります。
目的語が【フレーズ】の場合
目的がフレーズになった第3文型のパターンを考えてみましょう。
「私は、母が作ったご飯を食べる」という例文です。
S(主語) | V(述語) | O(目的語):フレーズ | |
---|---|---|---|
日本語 | 私は | 食べる | 母が作ったランチを |
英語 | I | eat | lunch cooked by my mother. |
中国語 |
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大きな文型の形では、英語と中国語は同じです。
ただし、フレーズになった目的語(O)の部分だけを切り出すと、中国語の語順は英語とは違い、むしろ日本語に近い語順になっています。
私の | 母が | 作った | ランチ |
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第4文型(SVOO)
第4文型・第5文型になる動詞は、英語も中国語も限られています。
第4文型になる動詞の例を見てみましょう。
日本語 | 英語 | 中国語 |
---|---|---|
送る | send | 送 |
与える | give | 给 |
教える | teach | 教 |
たずねる | ask | 问 |
伝える | tell | 告诉 |
上で紹介した動詞は、英語でも中国語でも第4文型になる動詞です。
英語も中国語も同じ文型になる動詞も多いですが、すべてが一致するわけではありません。
第4文型で、英語と中国語で語順が同じになる例文をいくつか見てみましょう。
S(主語) | V(述語) | O1(目的語) | O2(目的語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | あげる | 彼女に | お金を |
英語 | I | give | her | money. |
中国語 |
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S(主語) | V(述語) | O1(目的語) | O2(目的語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | たずねる | 彼に | 質問を |
英語 | I | ask | him | a question. |
中国語 |
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第5文型(SVOC)
第5文型は、「O = C」 の意味合いになるのが、第4文型との違いです。
第5文型の動詞も、第4文型と同様に限られています。
日本語 | 英語 | 中国語 |
---|---|---|
OがCだと見なす・思う | think | 觉得 |
OがCだとわかる | find | 觉得 |
OをC(の状態)にする | make | 让 |
OをCと呼ぶ | call | 叫 |
第5文型で、英語と中国語で語順が同じになる例文をいくつか見てみましょう。
S(主語) | V(述語) | O(目的語) | C(補語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | わかる | この本が | おもしろいと |
英語 | I | find | this book | interesting. |
中国語 |
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S(主語) | V(述語) | O(目的語) | C(補語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | する | 彼を | 幸せに |
英語 | I | make | him | happy. |
中国語 |
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S(主語) | V(述語) | O(目的語) | C(補語) | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 私は | 呼ぶ | 彼を | リーと |
英語 | I | call | him | Lee, |
中国語 |
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「いつ」「どこで」「どのように」のような説明する言葉が入る場合
英語と中国語が似ているのは簡単な文章構造だけです。
「いつ」「どこで」「どのように」のような説明する言葉が入ると順序・位置は違ってきます。
たとえば、「私は去年上海で小籠包を食べた。」という文章で見てみましょう。
S(主語) | V(述語) | O(目的語) | 場所(どこで) | 時刻(いつ) |
---|---|---|---|---|
私は | 食べた | 小籠包を | 上海で | 去年 |
I | ate | Xiaolongbao | in Shanghai | last year. |
S(主語) | 時刻(いつ) | 場所(どこで) | V(述語) | O(目的語) |
---|---|---|---|---|
私は | 去年 | 上海で | 食べた | 小籠包を |
我 | 去年 | 在上海 | 吃过 | 小笼包。 |
「いつ」という日時を表す表現は英語も中国語も文頭に持ってくることも可能ですが、
基本的には、英語の場合は文末、中国語の場合は主語と述語動詞の間になります。
「どこで」という場所を表す表現は、
英語の場合は目的語の後ろですが、中国語の場合は述語-目的語の前になります。
英語にはない中国語特有な構文
英語と似ている中国語の基本的な文を紹介しました。
ただ、中国語の文型は、ここで紹介した以外にも、「把」を使った構文や「是~的」の構文などがあります。
それらは、英語にはない文型をしており、むしろ日本語の文型に近い場合もあります。
英語と中国語は、全く違う言語なので、違って当たり前なのですが、部分的には似ている部分もあったりする。
そんなふうに、それぞれの言語の違いや共通点を発見しながら、複数の言語を勉強するのは面白いと思います。
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