中国語の疑問詞を使う用法には様々なものがあります。
今回は、任意のもの全てを指し示す用法 についてまとめました。
中国語で任意のもの全てを指し示す用法
中国語で「なんでも、だれでも、どこでも…」と任意のものすべてを指し示す言い方は、疑問詞を使って表現できます。
英語でも「〇〇でも」と表現する方法に、疑問詞を “〇〇ever” と使う表現がありました。
たとえば「なんでも」= “whatever”、「だれでも」= “whoever”、「どこでも」 = “wherever” などです。
英語も中国語も疑問詞を使うことで「〇〇でも」と表現する方法があるのは、少しだけ似ている気もしますね。
中国語で、疑問詞を使って「なんでも、だれでも、どこでも…」を表現する方法は、2パターンあります。
「疑問詞 + 都/也 〜(動詞・形容詞)」の形式で表現する方法と、疑問詞を呼応させて表現する方法です。
・「疑問詞 + 都/也 〜(動詞・形容詞)」の形式
・疑問詞を呼応させる用法
順に例文をみながら説明していきます。
「疑問詞 + 都/也 〜」で任意のもの全てを指し示す用法
「疑問詞 + 都/也 〜(動詞・形容詞)」の形式で、「〇〇でも(なんでも、誰でも、いつでも、どこでも…)」という意味を表せます。
たとえば、「なんでも」と任意のもの全てを指し示す場合は、「什么 + 都/也 〜」という形式で表現できます。
同様に、疑問詞に、「哪里(どこ)」、「谁(だれ)」などを使うことで、
「哪里 + 都/也 〜」(どこでも)、「谁 + 都/也」(だれでも)という文章を作ることができます。
什么 + 都/也 〜 | なんでも |
哪里 + 都/也 〜 | どこでも |
谁 + 都/也 〜 | だれでも |
什么时候 + 都/也 〜 | いつでも |
几点 + 都/也 〜 | 何時でも |
怎么 + 都/也 〜 | どう~ても |
怎么样 + 都/也 〜 | どのようにしても |
“都/也” の元々の意味は、都(すべて)、也(-もまた)です。
一般的にこの用法では、肯定文のときは “都” を使い、否定文のときは “都”,”也” のどちらも使います。
·肯定文では “都” を一般的に使う
·否定文では “都”,”也” のどちらも使う
肯定文、否定文それぞれで例文をみてみましょう。
肯定文「疑問詞 + 都/也 〜」で任意のもの全てを指し示す用法
まず、肯定文での例文をみてみましょう。
肯定文では “都” を一般的に使います。
[什么 + 都/也 〜 :なんでも] を使った例文
我什么都可以吃。
私はなんでも食べることができる。
今天晚上吃什么都行。
今晩食べるものはなんでも大丈夫です。
[哪里 + 都/也 〜 :どこでも] を使った例文
这种饮料哪里都有卖的。
この種類の飲み物はどこでも売っている。
[谁 + 都/也 〜 :だれでも] を使った例文
谁都有优点。
だれでも長所がある。
他对谁都温柔。
彼は誰にでも優しい。
[什么时候 + 都/也 〜 :いつでも] を使った例文
什么时候都可以。
いつでもいいです。
[几点 + 都/也 〜 :何時でも] を使った例文
几点都行。
何時でも良いです。
[怎么 + 都/也 〜 :どうでも] を使った例文
那个怎么想都觉得奇怪。
それはどう考えてもおかしい。
[怎么样 + 都/也 〜 :どのようにしても] を使った例文
我怎么样都想见你。
どうしてもあなたに会いたい。
否定文「疑問詞 + 都/也 〜」で任意のもの全てを指し示す用法
次に、「疑問詞 + 都/也 〜」の否定文で、任意のもの全てを否定する用法の例文をみてみましょう。
否定は都也どちらも使います。
[什么 + 都/也 〜(否定文) :なにも~ない] を使った例文
我什么都不知道。
我什么也不知道。
僕はなにも知らない。
[哪里 + 都/也 〜(否定文) :どこにも~ない] を使った例文
我哪里都不想去。
我哪里也不想去。
私はどこにも行きたくない。
[谁 + 都/也 〜(否定文) :だれも~ない] を使った例文
我和家人谁都没去过北京。
我和家人谁也没去过北京。
私と家族はだれも北京に行ったことがない。
[什么时候 + 都/也 〜 :いつも~ない] を使った例文
你无论什么时候回复都没有关系。
你无论什么时候回复也没有关系。
あなたの返事はいつになっても問題ないです。(いつでも構いません)
[怎么 + 都/也 〜 :どうしても~ない] を使った例文
怎么都想不到。
怎么也想不到。
どうしても思いつかない。
“疑問詞” と “都/也” の間に名詞、動詞を入れるパターン
「疑問詞 + 都/也 〜(動詞・形容詞)」の形式ですが、
「疑問詞」と「都/也」は必ずくっついているわけではありません。
「疑問詞 + 〇〇 + 都/也 〜(動詞・形容詞)」の形式で表現する場合もあります。
例文でみてみましょう。
[名詞(目的語)] が「疑問詞」と「都/也」の間に入るパターン
哪里的工作都会减少吗?
どこの仕事も減っていますか?
※下の2つの例文では、”水果” の位置が変わっても、同じ意味を表します。
水果他什么都爱吃。
他什么水果都爱吃。
彼は果物ならなんでも食べるのが好きです。
※下の例文では主語が「疑問詞」と「都/也」の間に入っています。
只要是你想去的地方哪里我都一起去。
あなたが行きたい所どこへでも一緒に行きます。
[動詞] が「疑問詞」と「都/也」の間に入るパターン
疑問詞が “怎么” の場合は、”疑問詞” と “都/也” の間に「動詞」がくる場合が多いです。
这种菜怎么做都可以吃。
この材料はどのような調理法でも食べれる。
怎么学都不会。
どんなに勉強しても分かりません。
日本哪里好像都很热。
日本はどこも暑いようだ。
疑問詞を呼応させることで任意のもの全てを指し示す用法
中国語では、疑問詞 を複数回呼応させて使うことでも、「〇〇でも(なんでも、誰でも、いつでも、どこでも…)」という意味を表せます。
例文をみてみましょう。
「什么(なに)」を呼応させて「なんでも」を表現する例文
你要什么,我就给你买什么。
あなたが欲しいものを、なんでも買ってあげます。
「哪里(どこ)」を呼応させて「どこでも」を表現する例文
哪里有困难,就到哪里去。
(どこに困難があれば,そこへ行く→)困難のあるところであれば,どこへでも行く.
「谁(だれ)」を呼応させて「だれでも」を表現する例文
谁说得对,我就听谁的。
誰の意見でも正しければそれに従う.
「什么时候(いつ)」を呼応させて「いつでも」を表現する例文
你可以想什么时候来就什么时候来,想什么时候走就什么时候走。
あなたは好きなときに来て、好きなときに帰って良い。(いつでも来て、いつでも帰って)
「怎么(どのように)を呼応させて「どのようにでも」
你想怎么做就怎么做。
君のしたいようにしなさい。(どのようにでも思うようにしなさい)
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