【中国語】”了”は過去/現在/未来 どの場合でも使える

中国語の”了”の使い方はとても難しいです。
”了” は過去を表すと勘違いしている方も多いですが、実はそうではありません。
今回は、”了” の使い方について考察してみました。ぜひ最後までご覧ください。

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中国語の時制(過去・現在・未来)の考え方

最初に言いますが、中国語には英語のような時制の考え方はありません。

英語の場合、過去形は「動詞+ed」、未来形は「will+動詞」または「be going to + 動詞」など、時制によって文を変化させる必要があります。
中国語は、英語と違い、時制による動詞の変化はありません。

過去
日本語:私は去年、上海に行った。
英語 :I went to shanghai last year.
中国語:我去年去上海。

現在
日本語:私は上海に行く。
英語 :I go to shanghai last year.
中国語:我去上海。

未来
日本語:私は来年、上海に行く。
英語 :I will go to shanghai next year.
中国語:我明年去上海。

“了”=”過去形”は間違い!:”了” の基本的な考え方

中国語の過去形は “了” を使うと勘違いする人は多いです(かつての自分もそうでした)。
過去を表す表現に “了” をよく使うのは確かですが、“了” はあくまでも「状態の変化」を表現します。
今回は、中国語の “了” の使い方と過去の表現の仕方についてまとめてみました。

“了”は過去を表すものではなく、状態の変化を表します。
「完了、実現」の意味があると説明される場合がありますが、結局はそれも「未完了だったものが完了の状態に変化した」ことを表します。

動作には「実行前」「実行中」「実行後」の3つの状態があり、それぞれの場面で “了” を使うことができます。
「実行前」「実行中」「実行後」の3つの状態で使う “了” は、過去・現在・未来それぞれの時制で使うことができます。

“了” の使い方(実行前/未来形⇒実行中/現在形⇒実行後/過去形)

過去形、現在形、未来形それぞれのパターンに分けてみていきましょう。
英語での表現も載せたので、比較しながら時制を考えてみましょう。

【過去形】で使う “了”:動作の実行後

【過去形】で使う “了”
・~になった(完了)
・~した(実現)

中国語の “了” の使い方の中でも、最もよく知られているのが、過去形のように使われているパターンです。
【過去形】で使う “了”は、動作が終わり完了した変化を表現します。

了の動作① (実行後・過去形)

他吃麻婆豆腐
彼は麻婆豆腐を食べた。
He ate mapo tofu.(過去形)

2つの段階の動詞の場合(【実行中】の動作がない動詞)

最初に動作には、「実行前」「実行中」「実行後」の3つの状態があると説明しましたが、中には【実行中】の状態がない動詞もあります。
たとえば「みつける」「知っている」などです。
このような【実行中】の状態がない “動作が2段階” の動詞で使われる “了” は、基本的に【過去形】の「~になった(完了)」の意味になります。

2つの段階の動詞の「了」は「〜になった」
みつかってない → みつかった(みつけている最中は「探している」という別の動詞になる)
わからない → わかる(わかりつつある最中という状態はない)

2つの段階の動詞は、動詞文/名詞文/形容詞文のパターンがあります。
それぞれで見てみましょう。

動詞文で使う “了”

動詞文とは「主語 + 述語」で始まる文章です。
2つの段階の動詞(【実行中】の状態がない動詞)で使う “了” は、【過去形(~になった)(完了)】の意味になり、現在形や未来形の時制表現の意味にはなりません。

例文でみてみましょう。

知道
わかった。
I understood.(過去形)

我找到它
私はそれをみつけた。
I found it.(過去形)

我想吃
私は食べたくなった。
I wanted to eat.(過去形)

我会开车
私は運転できるようになった。(×運転できた)
I was able to drive.(過去形)

名詞文で使う “了”

名詞文とは「主語 + 名詞」の形になる文章です。
名詞文で使う “了” も、【実行中】の状態はないため、【過去形(~になった)(完了)】の意味になり、現在形や未来形の時制表現の意味にはなりません。

我30岁
私は30歳になった。
I turned thirty.(過去形)

形容詞文で使う “了”

形容詞文は「主語 + 形容詞」の形になる文章です。
※中国語の場合、基本的に形容詞で状態を説明する文章の場合、英語のbe動詞にあたる “是” はつけません。

形容詞文で使う “了” も名詞文と同様です。
【実行中】の状態はないため、【過去形(~になった)(完了)】の意味になり、現在形や未来形の時制表現の意味にはなりません。

天气暖和
天気は暖かくなった。
The weather got warm.(過去形)

【現在形】で使う”了”:動作の実行中

【現在形】で使う”了”
~したところだ
〜しはじめた

中国語で “了” を使っても、英語では【現在形】になる表現もあります。

了の動作② (実行中・現在形)

他吃麻婆豆腐
彼が麻婆豆腐を食べてる!
He is eating mapo tofu!(現在形)
※状態は「動作を実行中」のため現在形になります。

完了直後に使う “了” :~したところだ

完了した直後の状態を表す場合、中国語で “了” を使いますが、英語では現在形になります。
例文でみてみましょう。

吃饭
ご飯だよ!
It’s time to eat! / Lunch is ready!(現在形)

都九点
もう9時だ
It’s already nine o’clock.(現在形)

好久不见
お久しぶりです。
Long time no see./It’s been a while.(現在形)

麻烦你
すみません。(ご迷惑をおかけしました。)
I’m sorry for troubling you.(現在形)
We apologize for any inconvenience this may cause.(現在形)

開始直後に使う “了” :〜しはじめた

動作が開始した直後の状態を表す場合も、中国語では “了” を使いますが、英語では現在形になります。
この “了” は、明らかな変化が起きたことを表現します。

下雨
雨が降ってきた。
It’s raining.(現在形)

他睡
彼は寝ている。
He is sleeping.(現在形)
⇒他在睡觉。(彼は寝ている)”在” を使う表現と事実としては同じです。

【未来形】で使う “了”:動作の実行前

【未来形】で使う”了”
(もうすぐ)~する
(もうすぐ)~なる

動作が開始する前の表現でも “了” を使う場合があります。
この場合の “了” は、英語では未来形になります。
この場合の “了” は、これから起こる変化を予告する役割があります。

了の動作③ (実行前・未来形)

我从今天开始吃麻婆豆腐
今日から麻婆豆腐を食べるぞ!
I’m going to eat mapo tofu from today!(未来形)

快/快要/就要~了 :もうすぐ〜だ

未来の表現の “了” でよく使われるのが「快/快要/就要~了」の表現です。

火车
火车快要
列車はもうすぐ出発する
The train is leaving soon.(未来形/未来を表す進行形)

马上要到
もうすぐ到着します。
We’re arriving soon.(未来形/未来を表す進行形)

快/快要/就要~了 の使い分け

快/快要/就要~了 の使い分けは「時間を示す語」の有無で決まります。

「快~了」は「快要~了」と同じです。
「快~了」「快要~了」は時間を示す語と一緒には使えません
「就要~了」は時間を示す語と一緒には使えます。

十分钟以后,火车就要到站
×十分钟以后,火车快要到站了。
10分後に電車は到着します。
The train arrives in 10 minutes.

これは「快」という言葉自体に時間表現の意味合いが含まれるためです。
時間表現を一緒に使うと二重に時間表現を言っているように聞こえるようです。
「就」は単に「すぐに」という表現で、時間的な意味合いはありません。

同じ文章でも状態・時制の捉え方によって意味が変わる

“了” は状態の変化を表すことを説明してきました。
そのため時制でみると【過去】【現在】【未来】いずれの場合でも “了” を使うことがあります。

そのため、同じような文章・言い方でも状況によって意味が変わる場合があります。
“了” の意味は文脈から判断していく必要があります。

「走了」を使った文章で考えてみましょう。

【実行中・現在形】
我走
私はもう行きます。(そういう状況になった)
I’m already going.(現在形)

【実行後・過去形】
他走
彼はもう行ってしまった。
He has already gone.(過去完了形)

否定表現の “了”

否定表現で “了” を使う場合、特殊な表現になる場合があります。
代表的なものをまとめてみました。

この場合の “了” も「〜する」→「〜しない」へ変わる変化を表します。

“了” の否定 = 没有 (最も基本的なパターン)

最も基本的な“了” の否定は、”没”/”没有” を使った表現になります。(“了”はつきません

ただし、【実行前】【実行後】の状態によって意味が変わります。
文脈で判断が必要になります。

吃。
【実行後】
食べなかった。
I didn’t eat.(過去形)
【実行前】
(まだ)食べてない。
I haven’t eaten it yet.(過去完了形)

别/不要~了 :〜するのはやめなさい

开玩笑
ふざけないで!
Don’t kidding!

不要喝多
飲みすぎないで!
Don’t drink too much!

不要感冒
風邪をひかないで
Don’t catch a cold.

不〜了:(1)〜をやめる、もう〜しない (2)〜をやめた

「不〜了」の表現は同じ文章でも【現在形】【過去形】のどちらでとるかで意味が変わります。
この場合、文脈から判断する必要があります。

(1)【現在形】〜をやめる、もう〜しない
(2)【過去形】〜をやめた


(1)【現在形】〜をやめる、もう〜しない
もう食べない。
I don’t eat anymore.(現在形)
(2)【過去形】〜をやめた
食べるのをやめた。
I stopped eating.(過去形)

抽烟
(1)【現在形】〜をやめる、もう〜しない
もうタバコは吸わない。
I don’t smoke anymore.(現在形)
(2)【過去形】〜をやめた
タバコをやめた。
I stopped smoking.(過去形)

“了” の位置

最後に “了” の位置について解説します。
“了” の文章での位置は、動詞の直後なのか、目的語の後なのか、自分もよく迷います。

目的語が具体的な場合は動詞の直後に “了” をつける必要があります。

目的語が具体的な場合:
⇒動詞のすぐ後
◯他买一台电脑。
×他买一台电脑
◯他买一台电脑

動作に重きを置く場合(目的語が具体的でない場合):
⇒文章の終わり
△他买电脑。
◯他买电脑
◯他买电脑

「〜了…了」という表現は「もう…も〜」と”数量の多さを強調”します。
他买十台电脑
彼は10台もパソコンを買った。

吃饭など動詞と目的語の結び付きが強い場合は、目的語を含めた動詞全体の後に “了” を持ってくる場合が多いです。
“吃” という表現も文法的には間違いではないようです。(※文法書に記載はありますが、中国人が使っているのは聞いたことはありません)

〇他吃饭了。
△他吃了饭。
△他吃了饭了。

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