【永遠の桃花】世界観、時代背景は？中国古代神話との関係は？

「桃花シリーズ」とは

「桃花シリーズ」は中国の古代神話をベースにファンタジー世界を描いた時代劇ドラマ。
人気作家・唐七の小説をドラマ化したものです。
CG技術を駆使して、古代神話の世界観を演出しています。

本作は「桃花シリーズ」と呼ばれるシリーズ化になっており、これまでに３作品が公開されています。

ドラマは「永遠の桃花〜三生三世〜」⇒「運命の桃花〜宸汐縁〜」⇒「夢幻の桃花〜三生三世枕上書〜」の順に製作されています。

タイトル	ドラマ放送年	原作	備考
永遠の桃花〜三生三世〜	2017年	三生三世十里桃花
運命の桃花〜宸汐縁〜	2019年	–	原作なし
夢幻の桃花〜三生三世枕上書〜	2020年	三生三世枕上
	–	三生三世白暮泪	ドラマ化していない

「永遠の桃花〜三生三世〜」と「夢幻の桃花〜三生三世枕上書〜」は原作小説がありますが、「運命の桃花〜宸汐縁〜」は原作のない同じ世界観のオリジナルドラマになっています。

どの作品も世界観は同じですが、ドラマのストーリー自体はそれぞれが独立しているため、どの作品から観賞しても大丈夫です。

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「永遠の桃花〜三生三世〜」のあらすじ（ストーリー）

「永遠の桃花〜三生三世〜」のあらすじを紹介します。

ドラマと中国古代神話との関係

「桃花シリーズ」は、中国古代神話をベースにはしていますが、あくまでフィクションの小説です。

そのほとんどは、原作者の想像上の「桃花シリーズ」だけに登場するキャラクターです。

ただ中国神話をベースにしているため、ドラマに登場する設定のいくつかは、中国古代神話に登場します。

今回はその中のいくつかをピックアップして紹介します。

九尾狐

ドラマ「永遠の桃花〜三生三世〜」のヒロイン白淺の属する部族。
中国古代神話では、白狐、九尾の狐、千年狐狸と呼ばれます。
神話上でも九尾の狐は美女に変身するといわれ、天界より遣わされた神獣であるとされます。

青丘

ドラマで、九尾狐族が住んでいるとされる場所です。、
中国の古代神話でも九尾の狐が住んでいる東方の地として登場します。
場所は伝説の地のため現実には存在しないという説が有力ですが、
山東半島、遼東半島、朝鮮半島、大連にある考古学遺跡のあたりだとする説もあります。

黒龍

ドラマ上のヒーロー夜華は黒龍に変身します。

ドラマ上のヒーロー夜華は黒龍に変身します。
中国神話の黒龍は白龍と敵対する邪神、
あるいは、北方を守護する神聖な竜として描かれています。

崑崙

ドラマの最初、ヒロインの白浅が修行に行く場所として “崑崙虚” が登場します。
中国神話でも崑崙という地名は西方にある山岳地として登場します。
黄河の源とされ、仙界とも呼ばれ、仙人たちが住んでいるといわれました。

神話上の崑崙は伝説ですが、現実世界にも、中国の西部（新疆ウイグル自治区やチベット自治区）、中央アジアに崑崙山脈という山岳地帯があります。

戦神

ドラマ「運命の桃花〜宸汐縁〜」の主役は九宸という戦神です。
中国神話で有名な戦神は、蚩尤（しゆう）と関羽です。

蚩尤は、兵主神という戦の神であると言われています。
戦争に使う兵器や武器を生み出し、それらに金属を使い始めたそうです。
中国神話では怪物のような見た目で表現されることが多いです。

関羽は、もともとは三国志の時代に活躍した人物です。
三国志演技が書かれた明の時代以降に、義理人情に厚い性格が評価・神格化され、中国全土で武神や商売の神としてまつられるようになりました。
赤い顔に長いあごひげ、青龍偃月刀という大型なを持った特徴的な見た目で表現されます。

ドラマの戦神 “九宸” は蚩尤や関羽のような特徴的な見た目はありません。イケメンが演じています。

その他

他にもドラマには、白竜、黄金龍、鳳凰など、中国古代神話に登場するキャラクターが数多く登場します。

ドラマには “鳳族” や “翼族”など様々な部族が登場します。
古代中国神話にも様々な部族が登場します。
ただ、この桃花シリーズに出てくる “鳳族” や “翼族” などの部族は、原作小説作者の創作フィクションのようです。

また、ヒロインの “白淺” やヒーローの “墨淵”、”夜華” などの各キャラクターも原作小説作者の創作フィクションです。

陰陽五行思想

ドラマでは、古代中国の自然哲学である陰陽思想や五行思想も取り入れているようです。
陰陽思想とは、、森羅万象のありとあらゆる物事を陰と陽の二つに分類する思想。
五行思想（五行説）は、万物は火・水・木・金・土の5種類の要素からなるという思想です。

火・水・木・金・土の５要素はそれぞれ色や方角、季節などが振り当てられており、それぞれが影響・関連するとされています。

五行	木	火	土	金	水
季節	春	夏	季節の変わり目	秋	冬
色（五色）	青	赤	黄	白	黒
方角（五方）	東	南	中央	西	北

桃花シリーズに登場する衣装の時代は？

本ドラマでは衣装も見どころでした。
衣装スタッフによって、全部で１４００着以上も用意したそう。

桃花シリーズは古代神話をベースにしているため、衣装に関しても、特にどの時代の服装という公式な設定はありません。

ただ、中国では南北朝時代（４２０年～５８９年、日本の室町時代あたり）の服装に似ているとの意見がありました。

南北朝時代を舞台にしたドラマ、中国の歴史年表については、「中国ドラマの歴史年表」で紹介しています。

中国古代神話の時代背景

本作は中国古代神話が舞台です。中国古代神話は古い伝説です。
ただあまりにも古い話のため部分的には現実にあった話もあるのではという説も存在します。

中国は歴史も長く、国土も広大で、かつ多くの民族が住んでいます。
そのため、中国神話には様々な話が様々な地方で伝承され、体系的にはまとまっていないのが現状です。

しかも、その長い歴史で２０００年以上にもわたり影響力を持っていた儒教の思想では、龍や鳳凰などの神獣、怪物はいないとされました。
そのため、儒教思想の中で、中国神話に登場する多くのキャラクターが人格化されました。
伝承されてきた神話の内容は、長い歴史の中で歴史的な背景を受け、何度も変わってしまったのです。

中国古代神話の時代はいつ頃？

中国古代神話の時代が、現実にあったのは、紀元前3800年〜紀元前1920年と言われています。

黄河文明が、紀元前7000年〜紀元前1600年と言われているので、訳４０００年前の黄河文明の時代の話ということです。

ちなみに、中国古代神話に影響を及ぼした三国志は、221年～263年あたり。

中国の古代ファンタジーとして日本人にはおなじみの西遊記は唐の時代初期(618年 – 690年)が舞台です。

「桃花シリーズ」は、それらの作品よりもずーっと古い時代と考えて頂ければいいと思います。

中国古代神話のストーリーとドラマの位置づけ

天地開闢の時代

中国古代神話の始まりは、「盤古（ばんこ）」と呼ばれている巨神が天地創造をしたところから始まります。
盤古は閉ざされた世界を、頭と足で天と地を分けました。
やがて、盤古が死に、そこから山や川など森羅万象が生まれました。

三皇五帝の時代

盤古が死んだあと、三皇と呼ばれる神が順番に誕生します。
伏羲（ふくぎ）、女媧（じょか）、神農（しんのう）です。
そして、伏羲の妹である女媧が泥から人類を作りました。

伏羲：蛇身人首の神。
女媧：蛇身人首の神。伏羲の妹。
神農：人身牛首の神。伏羲の子孫。

次に五帝が現れます。
神農（炎帝）蚩尤 黄帝 蒼頡、燧人氏です。

まず、蚩尤（すうき）が氾濫を起こし炎帝と戦争し、蚩尤が炎帝に勝ちます。
その後、蚩尤は黄帝とも戦争しますが、今度は黄帝が蚩尤に勝ちます。
その後、しばらく黄帝が世界を統治し安定した時代が続きます。

堯舜の時代

黄帝の時代の後に登場するのが、堯舜の時代です。
嚳（こく）、堯（ぎょう）、舜（しゅん）という帝王・君主が国を統治します。

この「堯舜の時代」には、様々なキャラクターが登場し、物語を繰り広げます。
四凶（渾敦 饕餮 窮奇 檮杌） や四罪（共工 鯀 驩兜 三苗）が登場するのもこの時代です。

「桃花シリーズ」は中国神話のこの「堯舜の時代」辺り、あるいはこの後あたり以降が舞台なのでは、と推測されます。

いかがでしたでしょうか。

「桃花シリーズ」は小説なので、あくまでも登場するキャラクターなどは原作者のオリジナルです。

ただ中国神話をベースにしているため、このドラマを通じて、日本ではまだあまり知られていない中国古代神話に対して興味を持たれた方も多いのではないでしょうか？

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